今や日本を代表する文学作家と言っても過言ではない小説家の村上春樹さん。
彼の長編小説はすべて読んだきましたが、彼の作品の魅力を僕なりにまとめてみました。
1.独特の比喩表現
村上春樹と言えばこれと断言できるほど、彼の物語を彩る表現は魅力的です。
説明するより実際に読んだ方が理解できると思うので、1つ引用するので読んでみてください。
彼女は人に何かを頼むときには、いつもにっこりと大きく微笑んだ。それは本当に素敵な笑顔だった。そのへんにある何もかもをお盆に載せて持っていきたくなるような笑顔だった。もし他の女が同じことをしたら厭味な感じになっていたかもしれない。でも彼女が微笑むと、世界じゅうが微笑んでいるように見えた。
国境の南、太陽の西 村上春樹
1人の女性の笑顔の描写ですね。
こんな感じに、彼の小説では比喩表現を使った表情の描写が多く見られます。
そういう彼独特の表現を読むのはとても面白いですし、それによって頭の中でイメージしやすくなるのは村上春樹の小説の魅力だと思います。
2.登場人物のキャラクター性
登場人物のキャラクター性も、村上春樹の小説の魅力の1つです。
簡単に言うと、みんなどこか風変りなんですよね。
- 女性を好きになりすぎてご飯が食べられなくなって餓死する人
- なめくじを食べる人
- 仕事に夢中になって中学生の娘をひとり日本に置き去りにして海外に行っちゃう人
などです。
彼の小説に出てくるキャラクターのほとんどは「これだ!」と言えるぐらいの何か独特な魅力を持っていると思います。
ここに挙げた以外にもたくさんの面白い人物が出てくるので、いろんな作品を読んでぜひ自分のお気に入りのキャラクターを見つけてみてください。
3.掴みどころのないストーリー
これは魅力というか特徴に近いかもしれませんが、村上春樹の小説は「掴みどころのないストーリー」であることが多いです。
「こういうストーリーです」って単純に説明することが難しんですね。
例えば、他の作家さんの小説だったら「殺人者の弟の人生を描いたストーリー」「自分の娘を殺した犯人に復讐をするストーリー」というように端的に説明することができると思います。
それに比べて村上春樹の作品は物語に一貫性がないものがとても多い気がします。
にも関わらず彼の小説は多くの人々に支持されていて、それは彼の書く文章、物語には人の心を惹きつける魅力があるからに違いないと思います。
4.想像力をかき立てさせてくれる
村上春樹の小説は、物語中の謎を最後まで解明しないものが多いです。
そのため、読者にとっては最後までよんでもモヤモヤが晴れずにすっきりしないということがあるかもしれません。
でも、それによって自分なりの解釈を作れるというメリットもあります。
作品全体を通して何を伝えたかったのか、なぜあの時そうなったのか、それらを自分で想像して解釈することができます。
5.【まとめ】
村上春樹の小説の魅力をまとめると以下のようになります。
- 独特の比喩表現
- 登場人物のキャラクター性
- 掴みどころのないストーリー
- 想像力をかき立てさせてくれる
個人的に特に注目してほしいと思っているのは、「1.独特の比喩表現」と「2.登場人物のキャラクター性」です!
さいごに、村上春樹の小説を読んだことのない人におすすめの作品を紹介した記事がありますので、是非参考にしてください。