村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』の感想・レビュー!【テーマは”資本主義”?】

みなさんこんにちは。

今回は、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』の感想とレビューを書いていきたいと思います。

『ダンス・ダンス・ダンス』について:著者自身の第6作目の長編小説!

『ダンス・ダンス・ダンス』について簡単にまとめてみました。

  • 村上春樹の第6作目の長編小説
  • 発売年‥‥1988年
  • 上下巻の2部作
  • 鼠三部作の続編的作品
 
れんと
個人的に『ダンス・ダンス・ダンス』は隠れた名作だと思っています。

『ダンス・ダンス・ダンス』のあらすじ

フリーのライターをして生計を立てている主人公(僕)は仕事で北海道に向かったことを機に、キキという女性に会うために、以前泊まったことがある「いるかホテル」に行く。

しかし、そのホテルは以前とは比べものにならないほど巨大なビルディングに変貌していた。

メガネのよく似合う女性従業員、いるかホテルに宿泊している不登校の13歳の美少女、かつて同級生だった俳優との再会など、主人公はいろんな事象に巻き込まれていくことになる。

果たして主人公は無事にキキに会うことができるのか?

『ダンス・ダンス・ダンス』はこれ以前に発売されたどの小説よりも文量が多くなっていますが、登場人物がこれまでより多くなっていて物語性が強くなっています!

『ダンス・ダンス・ダンス』の感想:テーマは”資本主義”?

『ダンス・ダンス・ダンス』の感想に入っていきたいと思います。

テーマは”資本主義”

本作が発売された1988年は日本はまさにバブル真っただ中。

その影響もあってか、本作では高度資本主義についての言及、または高度資本主義を見て取れる描写が多くあります。

 
れんと
いるかホテルの変貌なんかもそうです。

そして、村上春樹はその「高度資本主義」について批判の目を向けている可能性があります。

高度資本主義への批判?:「雪かき」

僕がこの作品が高度資本主義を批判していると感じる部分はいくつかあるのですが、そのうちの1つに「雪かき」という言葉が登場します。

⇩主人公が取材をするために料理屋を回っていることについて

「たとえば一日に十五軒もレストランやら料理屋やらを回って、出てきた料理を一口ずつ食べて、あとは全部残すなんてことが。そういうのってどこか決定的に間違ってると僕は思うんだ」

~中略~

「仕方ないよ」と僕は言った。「それはわかっているんだ。だから雪かきのようなものだよ。仕方ないからやってるんだ。面白くてやっているわけじゃない」

「雪かき」と彼女は言った。

「文化的雪かき」と僕は言った。

『ダンス・ダンス・ダンス(上)』村上春樹 p.113 l.14~p.114 l.8

 
れんと
資本主義社会での仕事を「雪かき」に例えるところはさすが村上春樹ですよね。

この「雪かき」という言葉は作中で何度か登場していて、いわばこの作品のキーワードのように捉えることができます。

「ダンス・ダンス・ダンス」=「雪かき」=資本主義社会への批判?

『ダンス・ダンス・ダンス』には数多くの名言が登場する!

この作品には、胸に刺さる名言が多くあると思います。

それも”人生観、世界の在り方”に関しての名言が多いです。

僕が特に気に入っているものを1つ紹介します!

何も変わってやしない。いつだっていつだっていつだって、物事の在り方は同じなのだ。ただ年号が変わって、人が入れ替わっただけのことなのだ。

『ダンス・ダンス・ダンス(上)』村上春樹 p.39 l.8

是非自分の好きな名言を見つけてみてください!

まとめ:ここに注目して読んでほしい!

『ダンス・ダンス・ダンス』を読むならここに注目して読んでほしいです。

  • 高度資本主義の描写
  • 孤独感、喪失感
  • ラストシーン

資本主義社会が僕たちの暮らしを豊かにしてくれたのは確かです。

でも、それによる弊害が存在するのも事実なわけで、本書では「孤独、喪失」が強く描写されています。

それでも、ラストシーンでは何か希望のようなものを感じることができましたね。