先日、こちらの記事でフィンランドの人々の働き方について紹介しました。
フィンランド人の働き方は、残業がなかったり16時半には帰宅するなど、ワークライフバランスをかなり重視したものとなっていましたよね。
今回は「休み方」編です。
労働者の生活に寄り添った働き方を実践しているフィンランド。
では、彼らは仕事以外の時間をどのように過ごしているのでしょうか。
フィンランドの人々の休み方について、今回もこの本を読んだ感想を述べていきたいと思います。
『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』堀内都喜子
1.「休む」を徹底!
フィンランド人は休日にどんな生活を送っているのかを紹介する前に、これを先に言わせてください。
「休むこと」に対しての意識、これが日本とフィンランドでは大きく違います。
みなさん、日本の有休消化率はどのくらいかご存じですか?
「令和3年就労条件総合調査結果」によると、令和2年の日本の有休消化率は56.6%となっています。
対してフィンランドの有休消化率は、ほぼ100%です。
この数字を見るだけでも、フィンランドの休むことに対する意識が見て取れますね。
さらに、フィンランド人は夏季休暇を1ヵ月もとるみたいです。
少なくとも僕の周りでは1ヵ月も仕事を休んでいる人を見たことはありません。
他にも、平均睡眠時間7時間半以上であったり、会社が趣味やスポーツを応援する「スポーツ・文化チケット」 などがあり、社会全体で「休むこと」を推進しているように見えます。
では、日本とフィンランドの「休むこと」に対する姿勢の違いがこんなにも違うのはなぜだと思いますか?
それについては、3.「楽しむことが大事だよね」で話してみようと思います。
2.フィンランド人の休日。「自然享受権」とは?
フィンランドは北欧にある、自然溢れる静かな国です。
フィンランド人は、休日になると積極的にアウトドアを楽しんでいるみたいです。
散歩や日光浴、なかにはベリー摘み、きのこ採り、狩猟など、日本ではあまり馴染のないものもあります。
フィンランドのアウトドアについて、本書を読んだ僕がとても魅力的に思ったものがあります。
それが「自然享受権」というものです。
皆さん聞いたことありますか?
本書内の説明を一部引用します。
フィンランドには自然享受権という慣習法がある。これは、土地の所有者に損害を与えない限り、だれもが他人の土地への立ち入りや自然の恵みを受けることを認めるものである。
『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』 堀内都喜子 ポプラ社 p.120
すごくないですか??
自然の恵みを受けるためであれば、他人の土地に侵入してもいいよということです。
日本でいうところの「不法侵入」が、自然の恵みを受け取るためという目的においてであればそれはもう不法侵入ではなくなるっていう。
そんな慣習法があって空き巣などの犯罪が横行しないのか心配ですが、日本にもあればいいなぁと思います。
また、フィンランド人はその国の持つ自然の恵みを存分に活かして休みを楽しんでいますが、自然を楽しむことは「お金がかからない」のが魅力的ですね。
山登り、日光浴、散歩、海水浴など。
お金がかからず、健康にもいい。
コスパ最強です。
3.楽しむことが大事だよね
日本とフィンランドの「休むこと」に対しての意識の違い。
それが生じるのはなぜだと思いますか?
僕は、「楽しむ」という根本的な感情の有無にあるのではないかと思います。
少し思想めいた話になるかもですが、人生って楽しむものだと思いますし、楽しむべきだと思います。
人生に「楽しみ」が無くなったら、後にいったい何が残るのでしょうか。
フィンランド人は、人生を楽しむという意識がかなり強いんだと思います。
だから残業はしないし、有休はちゃんととるし、夏は1ヵ月も休むんです。
楽しむときは楽しむ、働くときは働く!
楽しむだけじゃ生活していくことはできないですから、やっぱり働くことも大事です。
でも、どちらかといえば 楽しむ>仕事 なんじゃないかと思います。
対して、日本人は 仕事>楽しむ じゃないですか?
この違いだと思います。
僕の目には、「楽しむ」ことができていない日本人が多いような気がします。
今の日本人、働きすぎてませんか?
ちゃんと人生楽しめていますか?