人生を豊かにしてくれる名言を論語の中からかき集めてきました。
心の奥底の引き出しにしまっておいても損はないと思います。
名言を集めるに際して、今回はこの本から引用しました。
成長している自分を喜ぶ
孔子先生は言われた。「師から学んで、その学んだことを自分でくり返し復習、練習し、実践して、それが身についていくのがわかると、とてもうれしいものだ。同じ志を持つ友がいて、時々、遠くからやってきて、お互いに刺激しあえることほど楽しいことはない。こうして自分が成長していったことを世間が気づかなくても気にしないようにしたい。私は向上する自分を何よりも喜べるような君子をめざしたい」
(子曰く、学んで時に之を習う。亦た説(悦)ばしからずや。朋有り遠方より来たる。亦た楽しからずや。人知らずして慍みず。亦た君子ならずや。)
全文完全対照版 論語コンプリート p.10
他人に評価されなくても、自分の学びの成長を喜べるような人になりたいです。
過ぎたるは、なお及ばざるがごとし
子貢がたずねた。「師(子張)と商(子夏)とではどちらが優っていますか」。
孔子先生は言われた。「師は行き過ぎる。商は行き足りないところがある」。「それでは、師のほうが優っているのでしょうか」。
先生は言われた。「『過ぎたるは、なお及ばざるがごとし』で、どちらがいいとかは言えない(中庸をめざすべきだ)」。
(子貢問う、師と商と孰れか賢れる。子曰く、師や過ぎたり、商や及ばず。曰く、然らば則ち師愈れるか。子曰く、過ぎたるは猶お及ばざるがごとし。
全文完全対照版 論語コンプリート p.213
何事もやりすぎはよくないということです。
完璧を目指すんじゃなくて7,8割ぐらいを目指すのがちょうどいいのかもしれませんね。
大切なのは自分の思う正しい生き方
子貢が孔子先生にたずねた。「たとえ貧乏していても人にへつらうことなどなく、お金持ちになったからといっておごり高ぶることがない生き方をするというのはいかがでしょうか」。
孔子先生は言われた。「それでいいと思うよ。けれども、まだ貧乏だとかお金持ちとかにこだわっているところが気になるね。もっといいのは、貧乏だとか、お金持ちだとかにこだわることなく、自分の正しいと思う生き方を貫ける人だろう」。
(子貢曰く、貧にして諂う無く、富みて驕る無きは如何。子曰く、可なり。未だ貧にして楽しみ、富みて礼を好む者に若かざるなり。)
全文完全対照版 論語コンプリート p.19
たとえ自分がどんな生活をしていても、自分が正しいと思う生き方ができているなら問題なし!ということですね。
自分の利益だけでなく、人の利益も考える
孔子先生は言われた。「自分の利益だけを考えて行動してはならない。必ず人の利益も考えていかないと、人にうらまれることになり、結局、おかしなことになる」。
(子曰く、利に放って行えば、怨みを多くす。)
全文完全対照版 論語コンプリート p.69
自分だけが得をするように振舞っていれば人に恨まれます。
よく学べば、自然と給与が向こうからやってくる
子張が、仕事で宮仕えするために注意すべきことは何ですかと聞いた。
孔子先生は言われた。「とにかくしっかり学ぶことだ。たとえば、たくさん人に聞き、疑わしいことは行わないで、確かなことだけを行うようにしていれば、人に非難されることは少なくなる。物事を広く、たくさん見て、あやふやなことをやめるようにすれば、後悔することも少なくなる。非難されることや後悔することが少なければ評価され、それにふさわしい給与が自然と与えられるようになる」。
(子張、禄を干むるを学ばんとす。子曰く、多く聞きて疑わしきを闕き、慎みてその余を言えば、則ち尤め寡し。多く見て殆うきを闕き、慎みて其の余を行えば、則ち悔い寡し。言って尤め寡く、行って悔い寡ければ、禄その中に在り。)
全文完全対照版 論語コンプリート p.34
学び続けていれば自然にお金もついてくるということですね。
自分が正しいと思うことをしっかりやっていきたいです。
偏った交際はNG
孔子先生は言われた。「君子は人と広く交わるもので、つき合い方が偏ることはない。これに反して小人は自分の利になることばかりを考えるから、同じように目先の自分の利のことばかりを考える人たちと群れてしまい、広く人と交わることはない」。
(子曰く、君子は周して比せず、小人は比して周せず。)
全文完全対照版 論語コンプリート p.32
特定の人とばかりかかわるんじゃなくて、時には自分には興味のない分野で活躍している人やあまり関わりたくないなと思う人の話を聞くのも大切なんだと思います。
まずは人と誠実につき合う、その次に勉強
孔子先生は言われた。「若い時は、家庭では親孝行に努め、外に出たら目上の人に奉仕することを心がけるべきだ。人と接する際には軽はずみなことをせず、約束をきちんと守るなど信義に厚くなければならない。多くの人々と懇意に接すべきだが、とくに仁のある誠実な人格者と親しくつき合わなくてはならない。以上を実践できたうえで、まだ余力があれば文芸などで教養を高めるとよい」。
(子曰く、弟子入りては則ち孝、出でては則ち弟、謹みて信あり、汎く衆を愛して仁に親しみ、行って余力あれば則ち以て文を学べ。)
全文完全対照版 論語コンプリート p.13
人付き合いは勉強以上に学ぶものが多くある。
理解している事と理解していない事を区別する
孔子先生が由に向かって言われた。「お前に『知る』ということの正しい意味を教えよう。知っていることを知っているとし、知らないことを『知らない』とはっきり区別できることが、『知る』ということだ」。
(子曰く、由よ、女に之を知るを誨えんか。之を知るをば之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。)
全文完全対照版 論語コンプリート p.33
知ったかぶりをしていると何も学べません。
人間は生まれ持った才能に大きな差はなく、努力で大きな差が出る
孔子先生は言われた。「人間は生まれ持った本性、才能に大きな差はない。ただ、生まれてからの教育(習慣、教養など)で大きな差が出る」。
(子曰く、性、相近し、習いて相遠し。)
全文完全対照版 論語コンプリート p.357
努力を肯定してくれているこの言葉がとても好きです。
才能というのはおそらく存在すると僕は思うんですけど、努力は才能を凌駕するという言葉もあるように、地道に努力することで才能を超えることができると僕は信じています。
本当の過ちとは過ちを改めないこと
孔子先生は言われた。「過ちを犯して、その過ちに気づいたのに改めないのが、本当の過ちである」。
(子曰く、過ちて改めず、是を過ちと謂う。)
全文完全対照版 論語コンプリート p.328
これは有名な言葉ですね。
間違いを犯すのは誰にでもあって、それは仕方ないことだと思います。
でも、間違いを犯してしまったら隠そうとするんじゃなくてしっかりと改めることが大事です。