【あらすじ・感想/考察】村上春樹の最大のヒット作『ノルウェイの森』を徹底追及!

みなさんこんにちは。

今回は、村上春樹の最大のヒット作『ノルウェイの森』の【あらすじ・感想/考察】について書いていきたいと思います。

『ノルウェイの森』について:著者自身の最大のヒット作!

『ノルウェイの森』の情報について簡単にまとめてみました。

  • 1987年出版
  • 村上春樹自身最も売れた本「累計発行部数1000万部突破」
  • 2010年に松山ケンイチ主演で映画化もされている
  • ファンが選ぶ「村上春樹の好きな作品」ランキング”第1位”!

『ノルウェイの森』は、村上春樹の代名詞といえるほどの人気を持っている作品だということがわかりますね。

2010年に松山ケンイチさん主演で映画化されていて、僕も見たことありますが村上ワールドが上手く再現されていたと思います。

”20秒”あらすじ

主人公で語り手の「ワタナベ(作中では「僕」)」は、東京にある大学で演劇を学んでいる18歳の大学生。

ある日、彼は今は亡き親友「キズキ」の元恋人の「直子」に偶然会う。

直子と恋仲になったワタナベだったが、精神的に不安定だった直子は京都の山奥にある療養所に入ることになる。

直子のことを想い続けるかたわら、ワタナベは「緑」という同じ大学の女の子と知り合う。

直子とは対照的な性格の緑に徐々に心を惹かれていくワタナベだったが‥‥。

パッと見ると「恋愛小説」のように見えるかもしれませんが、実はもっと深いテーマが隠されているんです。

『ノルウェイの森』の考察:「生と死」を描いた物語!

それでは、『ノルウェイの森』についての考察をしていきたいと思います。

テーマは「生と死」

『ノルウェイの森』のテーマは「生と死」です。

この作品では、「苦しみながらも生きて行こうする人たち」と「苦しみに耐えられず死を選択してしまう人たち」が対照的に描かれています。

その代表的な例が「直子」と「緑」ですね。

主人公と密接な関係にある二人の女性を通して「生と死」を表現していて、その間に挟まれる形になったワタナベはどうなるのか、注目です。

『ノルウェイの森』に対する著者の想い

著者の村上春樹は、『ノルウェイの森』についてこう述べています。

「この話は基本的にカジュアルティーズ(犠牲者たち)についての話なのだ。それは僕のまわりで死んでいった、あるいは失われていったすくなからざるカジュアルティーズについての話であり、あるいは僕自身の中で死んで失われていったすくなからざるカジュアルティーズについての話である」

『遠い太鼓』前掲書、353頁

そして、このようにも述べています。

「小説が十万部売れているときには、僕はとても多くの人に愛され、好まれ、支持されているように感じていた。でも『ノルウェイの森』を百何万部も売ったことで、僕は自分がひどく孤独になったように感じた。そして自分がみんなに憎まれ嫌われているように感じた。

『遠い太鼓』前掲書、353頁

『ノルウェイの森』で書いたことは、村上春樹自身にとってはあまり好ましいものではなかったみたいです。

カジュアルティーズ(犠牲者)についての小説が他の小説と比べて爆発的に売れたことは、彼にとってはあまり良い思い出ではないのかもしれませんね。

『ノルウェイの森』の感想:読む人を選ぶ作品かも

『ノルウェイの森』の特徴をまとめてみました。

  • 全体的に重苦しい雰囲気が続く
  • 性的な描写が激しい
  • 文章は比較的読みやすい

『ノルウェイの森』は1000万部を突破するほど人気を集めた作品ですが、はっきり言って”読む人を選ぶ”作品かもしれないです。

特に「性的な表現」に関して言えば、彼の作品中でもトップレベルに激しいので苦手な人はかなり抵抗があると思います。

それでも、読んでおいて決して損はしない作品だと僕は思います。